沖縄の旅 みちくさ牧場

沖縄北部の名護東村にある「みちくさ牧場」に4日間行ってきた。

http://www.ryufo.com
http://ameblo.jp/michikusabokujou/theme-10051503369.html


ここは「(反対)運動よりも教育を」「馬が人生の先生」と語る寄田(よりた)さんという方が、引退して殺処分にされる競走馬などを引き取って牧場をつくり、子どもや大人が馬の世話を通して寄り添って生きる社会作りを展開しているところだ。私は知らなかったのだけど、もう走れなくて殺処分になる馬は全国で年間4000頭くらいいるらしい。NPO法人インフォメーションセンターは全国各地にあるので、ぜひ行ってみてほしい。

沖縄のインフォメーションセンターは一番古いらしくて、平日の昼間は「こども園」というようちえんみたいなものがある。子どもが馬やロバの世話をしたり、乗馬したり、掃除をしたり、遊んだりして過ごすことができるのだ。知り合いが行ってとてもよかったというので、私も3歳になったアカルと行ってみた。

このころアカルはすぐに泣きわめくことが多かった。それもどこかに行くために歩いている道中で肩車してくれと泣く叫ぶのだ。私はスーツケースにバックパックを背負い両手に荷物を持っているので、すぐにブチ切れる。那覇のゲストハウスからモノレールで空港まで行って高速バスに乗らなくてはならないのに、宿を少し出たところで早くも「肩車」(いつも肩車をする旦那が悪いといつも心で怒っている)。名護のバスターミナルまで牧場のスタッフさんが迎えに来てくれることになっているのにー。しかたがないのでタクシーに乗ったら、すぐ近くに那覇バスターミナルというところがあり、そこから名護までバスが出ているとのこと。

ふううー

そんなこんなで無事到着じゃ~。やった~!

海にも山にも近いところに牧場はある

b0166613_5591817.jpg


b0166613_63321.jpg


この子と一緒のお馬さんサラを私は担当させてもらった


b0166613_616129.jpg



小さい子どもたちはロバさんのお世話をする。アカルも混ぜてもらった


b0166613_645559.jpg




実は長年沖縄に来たかった私。移住したときに困らないようにと、NYでは琉球舞踊も習った(変なところで用意周到)。はじめての沖縄はやんばるの原生林の広がる名護。いわゆる沖縄っぽくない風景と、なぜか馬さんのお世話をする環境にぼーっとしてしまう。

5月だったけど日中の沖縄はもう暑い。
その中を一日中外で子どもや馬さんと過ごす。
スタッフの人も優しくてたくましくて、コテージから見る夜空は澄んでいてさらにぼーっとする。

みちくさ牧場ではアカルの言葉とコミュニケーションの遅さにばかりに目がいってしまった。もともとアカルのためにここに来たようなものなんだけど、アカルと同じくらいか、それよりももっと小さい子どもたちに囲まれて生活することができたので、彼が一般的にどの程度なのかを相対的に見ることができたのだ。それも周りにいるのは日本の子どもたちである。状況に応じて靴を脱いだり履いたり、ご飯の食べ方、しぐさなどはやはりアメリカとは違う。アカルは靴を脱ぐのが嫌いで(ついでに手を洗うのもトイレに行くのも苦手)、ご飯もいろんなものは食べられないし、日本に来てから英語をほとんど話さなくなって変な日本語だけを話すので、他の子どもから「このヘンな男の子」と呼ばれたりもした。

「ヘンな男の子じゃないよ、アカルだよ」と言ってあげればよかったのだけど、アカルがそんな風に呼ばれるのを聞いて軽いショックを受けた私は何も言えなかった。

そりゃ「そっち行くない(行かない)」とか、男のクセに「わたし」とか「それやめて~だめよ~」とか言って、いつも一人でずっとトランポリンで遊んでる外人みたいな顔の子なんて「ヘンな男の子」だろう。おまけにいつもつま先立ちだし。

みちくさ牧場の旅で、私の「アカルは軽い発達障害があるかもしれない」という疑惑はかなり確信に変わった気がする。というのも周りの子があまりにもぺらぺら話すのにびっくらしたのだ。何せ2歳の子どもが「僕のお父さんは○○不動産で働いている」みたいなことを言うのだ。それに比べてアカルはもうすぐ3歳半なのに、人前ではほとんど話さず、話しても「おにぎ、たべる(おにぎり食べる)」「これいらない」「ちょうだい」「タタ電話(お父さんに電話する)」みたいなことしか話せない。いや、話せないだけならまだいいんだけど、アカルのヘンなこだわりがどんどん強くなってそれが私を不安な気持ちにさせることが多々ある。トイレ・トレーニングだってもう長いこと一生懸命やっているのに、トイレを異常に嫌がって全くできていない(これに関してはトイレ・トレーニングは親が一生懸命やるほどできなくなることがあると知り合いから助言を受けたことがあってなるほどと思ったこともある)。

それに対して寄田さんのパートナーでスタッフのNさんがこう言ってくれた。
「アカルは肌感覚がとても敏感だと思う。つま先で歩いているのも接触を嫌がっているからだと思う。だから手を洗ったり、裸になったり、トイレをしたりするのは彼にとって大変なことなんじゃない」

なるほど。
じゃあ、もっと土の上を裸足で歩かせたり(歩いてるけど)、もっと接触を楽しめるような環境を作ってあげればいいのかな、と思った。確かにアカルは手を洗うのが嫌いなんだけど、まず水を出して「見てごらん」「触ってごらん」「手を洗ってごらん」と言えば、すんなり洗うこともあるのだ。多くの場合、親側に時間と心の余裕がなくてそういう準備を作ってあげられないので、申し訳なく思う。

話が重くなったのでここらで写真を。ちなみにアカルの言葉についてはまた後日談があって、今現在は少しずつ状況も変わってきているのでご心配なく。


牧場内にトランポリンがある


b0166613_0522328.jpg



馬たちにあげるえさを積むついでに荷台に乗る子どもたち


b0166613_175613.jpg




みちくさ牧場は子どもたちにとって天国のようなところだと思う。何てたってバラバラの年齢の子どもたちが一緒に学べる。大人が働いているのを間近でみて真似もできる。小さい子どもも大きい子どももみんなちゃんと馬やロバの世話するし、裸足や裸になって土遊びをしたり、草を摘んだり、冬になれば焚き火をしたり、外でご飯を食べたり。考えてみれば普通のことなんだけど、そんな普通のことが大切だと痛感する人は多いのではないだろうか。アカルが特別な教育環境を必要としない子どもであるのならば、みちくさ牧場のような環境で育ってほしいなー


牧場から歩いて15分くらいのところにあるコテージにて。アカルも大きくなりました。


b0166613_1231914.jpg



b0166613_1263564.jpg



b0166613_1315079.jpg




私自身のみちくさ感想としては、とにかくよく眠った。笑
空気がいいせいか、那覇のゲストハウスで地獄を見たせいか、夜も昼もぐうぐうぐうぐう本当によく眠った。朝は自然に早く目が覚めて、時々ベランダで加藤メソッドの呼吸法のCDを聞きながら練習したりもした。
そして馬ってとってもあったかい。体もどっしりしていながらしなやかで、撫でているのが本当に気持ちいい。最初は少し緊張したけど、2日目からは汚れたりするのも全く気にならなくなって、ひたすらお馬さんを撫でていた。うちの家族は代々競馬場で仕事をしている人が多いので、走れなくなった馬は莫大な維持費がかかるくせに稼げないから殺処分だってことは小さい頃からどこからともなく聞いていた。でもそれがどういうことなのか、よくわかっていなかった。それはこの温かみを失うことなんだ。馬は人間に依存していかなくてはこの社会で生きていけない。そんな弱者が生きていく温かみとやすらぎを失っていくことなんだ。

そんなことを思った4日間だった。


最後にちょっと長いけど代表の寄田さんの言葉を引用します。


私たちは、生きることへの困難から歩き始めた法人です。

私たちが、生きることへの困難を感じ、そんな私たちが生きるために、世界を変えたいと強く考えるようになりました。そしてそのためには、私が変わるしかないという、とても当たり前の事に気づき、私のための活動から始めました。
その時のパートナーは「馬」という動物でした。馬の寛容、馬の賢さ、馬の強さ、馬の弱さに支えられ少しずつ活動の幅を広げていきました。
そのなかで、馬は自然の一部であることに気づきます。そして、同時に、私たちも自然の一部であることに気づきます。私や馬を包み込む大きな自然、この自然と私と馬は、繋がりながら、ある。

この繋がりを未来に繋げる活動として、環境教育という概念を私たち法人の中心的な理念としています。環境教育という概念を柱に据え、牧場や畑を作り、まちづくりを実施し、海外での協働プロジェクトを行っています。
すべては私という小さな世界から始まった活動ですが、その活動は、セラピー、環境保全、まちづくり、教育、など大きな広がりと共にあります。

私たちの法人は、たくさんの「私」という世界と繋がりながら、大きな世界を考えていくNPO法人です。
あなたの「私」と繋がるために・・・・

(代表理事 寄田勝彦)


b0166613_1414151.jpg



ランキングに参加しています。
クリックをお願いします。

ブログランキング・にほんブログ村へ

にほんブログ村 子育てブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村
[PR]
by flyingbocian | 2012-06-04 09:44 | 3歳~4歳


異国のNY砂漠で子育てを乗り切るため睡眠を削って綴るもしかして爆笑もしかして涙ほろり日記


by flyingbocian

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

カテゴリ

全体
自分のこと
妊娠と妊娠するまで
生まれたてから1ヶ月まで
2ヶ月目と3ヶ月目
4ヶ月目
5ヶ月目
6ヶ月目
7ヶ月目
8ヶ月目
9ヶ月目
10ヶ月目
11ヶ月目
1歳
1歳半~2歳
2歳~2歳半
2歳半~3歳
3歳~4歳
6歳
7歳
日本のこと
未分類

以前の記事

2016年 09月
2016年 05月
2015年 11月
2015年 09月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 06月
2012年 04月
2012年 02月
2011年 12月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 04月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月

フォロー中のブログ

空とぶこうのとり

お気に入りブログ(外部)

ブログパーツ

タグ

最新のトラックバック

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧